Reporting 2.0 – 3CXのレポーティングロードマップが公開されました。
3CXにおけるレポーティングの強化とそのスケジュール
Reporting 2.0は3CXのアナリティクスを大きく進化させる予定です。
現在開発中となりますが、取り組んでいる内容とこの機能で何が実現するのかをお知らせします。
PowerBIダッシュボードでの通話統計と終話理由の表示
専用の通話テレフォニーテーブルおよびデータベースビューを構築しており、これにより高度な通話メトリクスや統計の取得が可能になります。
これには、詳細な通話トラッキングや通話経路の分析、通話時間や保留時間、キューのパフォーマンスに関する正確なデータが含まれます。
これらの改善は、業務効率の向上に役立つ貴重なインサイトを提供することを目的としています。
これまで3CXでは、リアルタイムの通話処理に注力してきたため、レポーティングは優先事項ではなく、高度な分析はサードパーティのソリューションに依存していました。
Version 20の初期のバックエンド改善は基盤を築いたものの、十分ではなかったため、Reporting 2.0が必要となりました。
当初、今年のアップデート5でのリリースを目指していましたが、最高品質のソリューションを提供するため、スケジュールを変更しました。
新しいCDRテーブル – データの向上でより良いレポーティング
最大の決定の一つは、新しく改善されたCDR(通話詳細記録)フォーマットを導入することです。 現在のCDRおよびコールログデータベースは複雑であり、データが不足していたり、他のデータから派生していることがあります。
しっかりとしたレポーティングエンジンを構築するため、3CXのコアを見直し、通話を適切に記録する新しいCDRフォーマットを作成し、詳細なレポートを生成できるようにしました。
この新しいCDRフォーマットの導入には、コアシステムの再設計と、旧コールレコードテーブルの新フォーマットへの変換が含まれます。 このステップが完了すると、現在のレポートが新しいCDRレコードを使用するように更新されます。
これにより、レポートの精度が向上し、トランク/DIDごとのインバウンドおよびアウトバウンド通話レポートが新たに追加され、レポートの生成速度も向上します。
インバウンドおよびアウトバウンド通話レポートに含まれる項目:
- 日付、時間、CallerID、TrunkID、DID(インバウンドの場合)、CallStatus(接続済みか否か)、RingingTime、TalkingTime、TotalCallDuration、AnsweredBy、RecordingUrl、BillingCost(アウトバウンドの場合)
このステップの開発は年末までに完了し、新年の初めに提供する予定です。
新CDRフォーマット: より深いテレフォニーインサイトのための主要メトリクス
新しいCDRフォーマットは、コールセンターメトリクスの幅広いデータを取得します。
これには、発信者情報、通話経路、終了理由、パフォーマンス指標が含まれます。
以下は、利用可能な情報の一例です。
取得データの例:
- 通話詳細: cdr_idやcall_history_idといった一意識別子により、シームレスなトラッキングとクロスリファレンスが可能。
- 参加者情報: 発信元と着信先の詳細情報(例: source_participant_id、source_participant_name、destination_participant_id、destination_participant_name)名前、電話番号、トランクDID、接続詳細をカバー。
- 通話経路と終了理由: originating_cdr_id(発信元の通話)やtermination_reason、terminated_by_participant_idで通話の経路と終了理由を把握。
- タイムスタンプ: cdr_started_at(開始時刻)、cdr_answered_at(応答時刻)、cdr_ended_at(終了時刻)により、正確な通話時間、保留時間、会話時間の計算が可能。
- 接続詳細: source_participant_is_incomingやdestination_participant_is_already_connectedで、接続状況(着信中か既に接続されているか)を示す。
BI対応データベーススキーマ
新しいCDRフォーマットに加え、通話データをBI(ビジネスインテリジェンス)対応形式で報告するための専用データベースも構築中です。
このデータベースでは、CDRデータを処理・要約し、分析に適したデータマートとして格納します。
このデータマートは、リアルタイムの生データから派生した構造化された分析レイヤーです。
これにより、SQL知識が少ないビジネスアナリストやスーパーバイザーでも、BIツールを用いて迅速に分析を行うことが可能になります。
※このBI対応データベースはEnterprise Editionの機能となります。
GrafanaおよびPower BI向けのレポートテンプレート
BI対応データベーステーブルに基づき、GrafanaおよびPower BIで使用できる標準のレポートテンプレートも提供します。
これらのテンプレートには、新しいビューやレポートが含まれ、編集やカスタマイズが容易です。
例:
- キューごとの担当エージェント
- ピーク時間レポート(応答/未応答)
- 時間帯別の通話分布(インバウンド/アウトバウンド)
- 時系列分析
- ピーク時間ゲージ
- トップエージェントレポート
BIテーブルのセキュリティ
新しいBI対応テーブルは、専用のデータベーススキーマ内に配置され、メインのPostgreSQLポートとは異なるポートを通じてアクセスします。
BIユーザー向けには3CX管理者が生成したプライベートキーを用いて認証を行い、安全な接続が確保されます。
スケジュール
新しいレポーティングのベータ版は2025年1月に提供される予定です。
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